これまでは、日本の戦争体験者の声を届けてこられましたが、今年はウクライナの戦争にフォーカスし、ウクライナ「心のケア」交流センターでサポートをさせていただいている避難民の方が取材を受けられました。
この特番で、綾瀬さんが日本以外の戦争についてご取材されるのは初めてのことだそうです。
綾瀬はるかさんは、取材にあたり何度も渋谷ひまわりに足を運んでくださいました。
彼女はお祖母様が広島におられ、核の悲惨さを自分のことのように感じておられたそうです。
今、リアルな戦争について語るのはウクライナの人にとっては楽なことではありません。
ウクライナ避難民の方の多くが取材NGと言われるのも彼女たちの強い痛みを考えれば頷けます。
だからこそ、ウクライナ避難民の人が渋谷ひまわりなら話せると言ってくださることは、ささやかに嬉しかったですし、私たちからも丁寧な取材をお願いさせていただきました。
取材のための特別なイベントや対応ではなく、普段のありのままの渋谷ひまわりを見てもらい、そこに綾瀬さんに入っていただいたり、私たちもウクライナの人たちが本音で話せる環境をサポートさせていただきました。
20分弱の限られた時間の中で、その戦争のほんの一部しか伝わらないことは承知の上で、真摯に取材をしていただいたことは、また一つ、日本のウクライナ支援にとって大きな第一歩になってくれると願っています。
どれだけ長引いても、日本から遠いところで起こっていたとしても、戦争に慣れるのは本当にいけないことだと思います。
慣れは無関心の連鎖になり、その痛みすら感じられないようになりますが、それはきっとどこかで自分たちの大切な何かを確実に崩し始めてしまう気がします。
この8月24日で、ウクライナの戦争も1年と半年になります。心理業界に携わる私たちの目標は、日本でウクライナの支援を風化させないこと、そのために日本の人たちにウクライナの心の痛みを伝えていくことだと思っています。
壮絶な戦争写真や、ニュースに流れるミサイルで焼けこげる街の映像だけでは伝わらない、そこに生きていく人の心の痛みをそっと日本の人に考えてもらうことだと思います。
美しい笑顔の下に多くのウクライナの人が、深い傷を抱えています。
だからと言って、特別な同情や腫れものに触るような対応ではなく、身近な隣人として、異国で生きるウクライナの人たちに敬意を払い、寄り添っていくことが大切なのだと思います。
ウクライナの人たちが安心できる居場所づくり、心のケアはもちろんのこと、就業支援や教育支援など、日本に住む素敵なウクライナの人たちをたくさんの日本の人たちに紹介しながら、ひとつひとつ進めていくことだと思います。綾瀬さんにも、ウクライナ避難民の方をたくさんご紹介できたことを嬉しく思います。
放送をご覧いただいて、戦争を【自分のこと】として感じられる時間になればと思います。
■日 時:2023年8月14日(月)23:00~24:00(23:11頃から放送予定)
■放 送:TBS 「news23」特別企画 綾瀬はるか「戦争」を聞く~ひまわりの願い~
https://youtu.be/LsUpY1SeIq0