7月下旬ごろから、個別のカウンセリングの依頼が増えてきました。日本に避難してきたことへの罪悪感、公共の場でも子どもが大声をだしてパニックになってしまう、などさまざまです。全心連ウクライナ「心のケア」交流センターとしての活動も3ヶ月となり、私たちが心残りにしていたことの1つとして、たとえば動物園での心のケアの催しにはたくさんのウクライナから避難されてきた方々が来てくれたけれど、ゆっくり話を聴けなかったのではないか、ということがありました。母親と子どもとで避難されてきたケースが多い中で、小さな子どもに手がかかって個別の相談には行けないという声も聞きました。そこで、子どもを託児所に預けて、母親にはゆったりした時間を過ごすことができる機会を設けてみようと思いました。また、それだけだと子どもも寂しがるかも?と思い、母親がゆったりした時間を過ごした後に、親子で夏休みの思い出がつくれるように、と考えました。このように、今回の「子育て相談&心の休日」ホテルランチ交流会&水族館で夏休みの思い出、という企画となりました。
第一部、ホテルランチ交流会は、日本財団のウクライナ避難民支援助成プログラムの支援をいただき実施いたしました。集合後に未就学児の子どもを託児所に預け、母親はホテルのレストランにてランチを囲みながら、無料で子育てや教育、心のケアなどに関して相談していただきました。
今回も、ミーティングと下見から始まり、ギリギリまで準備!をボランティアスタッフ一同、行いました。
【第一部 ホテルランチ交流会】
◆11:00 集合~子どもを託児所に預けつつランチ交流会へ
参加者の皆さんが迷わずに来れるか、ボランティアスタッフもドキドキで待機していました。心配をよそに、集合時間前からお越し下さった方も多く、参加者同士でのコミュニケーションがなされていました。ここで、未就学児の子どもは託児所へ。しばしお母さんとお別れです。2時間託児所で頑張れるかな?
そして今回は、ウクライナの方からサプライズのプレゼントをいただきました。過去の心のケアの催しに参加されたウクライナの方がお礼をしたいということで、ご自分でクロスステッチでの刺繍をつくってくださいました。その気持ちが大変嬉しく、ボランティアスタッフ一同大感激でした。早速、全心連ウクライナ「心のケア」交流センターに飾らせていただくことにしました。
◆11:30 ランチ交流会スタート
今回、全心連ウクライナ「心のケア」交流センター会員証を作成しました。言葉や文化を大切にしたいという思いから、なるべくウクライナ語でのやりとりを行っていますが、私たちスタッフはほとんどが日本人。ウクライナの言葉が読めず、やりとりに時間がかかることがあり、よりスムーズに対応するためにも、お一人おひとりに番号のついたカードを発行することにしました。また、全心連ウクライナ「心のケア」交流センターパンフレットを作成し、心のケアについての案内を行いました。
その後は、ランチタイムがスタートしました。皆さんそれぞれに食べ物・飲み物を選び、会話しながらのランチタイムを楽しんでいただけたようです。飲み物ではストロベリー系のアイスティーが大人気でした。ウクライナの飲み物に味が似ているとのことでした。ランチタイムが進むにつれ、「話を聴くプロ(全心連公認プロフェッショナル心理カウンセラー)」との会話も深まり、様々なご相談をいただきました。
◆13:15 記念撮影、水族館へ
ランチ後は、託児所に預けていた子どもも合流、お母さんと出会えて一安心。すべての子どもが託児所でも、元気に遊んでいたようです。みんなで記念撮影の後、水族館に向かいました。
【第二部 水族館で夏休みの思い出】
◆13:00 集合~記念撮影、水族館へ
第二部から参加の方々も続々と集合、第一部から参加の方々が記念撮影が終わったころに水族館に到着。記念撮影後、第一部の方々と同様に、会員証やパンフレットを受け取り、水族館に向かいました。今回は、コロナ感染対策の意味もあり、できる限りの分散入場を試みました。
ウクライナでは、海洋生物に触れる機会が少ないようで、子どもはもちろんのこと、大人も大喜びで館内のひと時を楽しんでいただけたようです。イルカショーを2回も3回も観覧した方も多くいました。そんな中でも声をかけていただき、様々な困りごとを聞かせていただきました。今回は、自由解散でしたが、お礼を言うためにわざわざボランティアスタッフを探していた方が多くいらっしゃいました。ボランティアスタッフも多くの子どもたちの笑顔を見ることが出来ました。
今回は、今までで最大の参加者(160名)となりました。小学生の子どもを持つ母親にとって、子どもの夏休みの思い出作りは、一つの課題のように思います。ウクライナから避難されてきた方々にとっては、「どのような施設があるのか。」「その施設はどこにあるのか。」「どのような体験ができるのか。」「どうやって移動したらいいのか。」など、多くの課題がのしかかる中で、思い出作りをあきらめていた方も多くいたようです。日本人にとっては、身近な水族館めぐりかもしれませんが、ウクライナの子どもにとって、この夏の思い出の一つになったことを確信しました。
今回から、全心連ウクライナ「心のケア」交流センターの催しに参加された方も多くいました。私たちボランティアスタッフも初めて会話したような方々も多くいらっしゃいました。日本に避難されて間もない方もおり、ウクライナでつらい思いをしたことを打ち明けてくれた方もいらっしゃり、後日、個別でのカウンセリングを受けることになりました。
回を重ねるごとに、ウクライナの方の笑顔が増え、避難者同士の会話が増え、私たちに対して日常的な困りごと(食事、医療、就職、教育など)を打ち明けていただく事も増えてきたことを実感しています。一方、戦争トラウマを含め、心の深い部分でのお話も増えてきていることを実感しています。一つ一つ丁寧に対応しつつ、ウクライナの子どもにとって、日本が第二のふるさとになるようサポートを続けてまいります。
第一部、ホテルランチ交流会は日本財団のウクライナ避難民支援助成プログラムの支援をいただきました。第二部、水族館で夏休みの思い出は、水族館から格段のご配慮をいただきました。本当にありがとうございました。すべての皆様に心からの御礼と、引き続きのご支援、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
主催:
一般社団法人全国心理業連合会
ウクライナ「心のケア」交流センター在日ウクライナ人スタッフ
全心連公認プロフェッショナル心理カウンセラー(話を聴くプロ)ボランティアスタッフ
アイディアメンタルトレーニング個別塾メンタルトレーナー・学習プロコーチ
参加人数:
第一部 ホテルランチ交流会 43名
第二部 水族館で夏休みの思い出 163名
※ウクライナの方、日本人ボランティア等含む
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本企画は下記の皆様にご後援、ご協力、ご協賛をいただきました。改めて心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
後援:
一般社団法人プロフェッショナル心理カウンセラー協会
協力:
株式会社アイディアヒューマンサポートサービス
第一部 ホテルランチ交流会
日本財団 ウクライナ避難民支援助成プログラム
第二部 水族館で夏休みの思い出
協力:
都内水族館
特定非営利活動法人ヒューマンアニマルインタラクション協会