全心連ウクライナ「心のケア」交流センターを立ち上げてから、全力で活動を続けてきましたが、いつも気になっていたのは関西のことでした。東京・渋谷に続き、5月13日に大阪・梅田に開設した後、関西ではネットワークがあるわけでもなかったことから、ウクライナから避難されてきた方々から直接、声を聴く機会がほとんどありませんでした。
関東でウクライナへの理解が深まり、避難されてきた方々の様子もつかめてきた夏ごろ、「関西ではどんなサポートを受けることができますか?」という問い合わせが入り始めました。また、8月から、日本財団のウクライナ避難民支援助成プログラムを受けることができるようになり、そのおつながりで支援者の研修に参加させていただき、関東以外のウクライナ支援を行っている団体様から、各地の様子もお聞きすることができました。いよいよ、関西地域での心のケアを本格的に開始する時期が来たと感じ、準備をはじめました。
在日ウクライナ人スタッフのイリーナさんにも意見を聴きながら、関西の心のケアのシンボルになる場所を探していたところ、快く協賛下さることになったのは「梅田スカイビル 空中庭園展望台」さん。空中庭園展望台はもちろんのこと、梅田スカイビル商店街にはレトロ食堂街もあり、日本文化に触れる機会にもなるのではないかと考えました。関西での心のケアはまずここから始めよう、と決めたものの、ネットワークがあるわけではない関西でどれだけのウクライナの方々が来てくれるかな・・・?と心配しつつ募集をかけたところ、2,3日で30名以上の参加希望があり、驚きました。
本格的な関西での心のケアは今回がはじめて、ということで、これまでのノウハウを活かすためにも、スタッフが関東から大阪入りすることにしました。「梅田スカイビル 空中庭園展望台での心の休日&ランチ交流会」として、日本財団のウクライナ避難民支援助成プログラムの支援を受け、実施しました。
◆10:30 現地集合、準備開始
今回の会場は、梅田スカイビル商店街「レトロ食堂街 滝見小路」にある、CAFFE PIAZZA DEL POPOLOさん。快くお店を貸し切りにして下さいました。お料理は、これまで関東の交流会でウクライナの方に好評だったものを準備するために、日本のボランティアメンバー、サポーター登録の方々に呼びかけて、持ち寄りで準備することにしました。
また、関東の交流会でウクライナの方々が母国のなじみのある歌を歌ったり、踊ったりすることでの音楽療法的な効果を目の当たりにしていたことから、大阪でもウクライナの伝統的な歌を聴いたり、歌ったり、踊ったりすることで、もしかしたら関西で孤独感を抱えているようなウクライナ避難民の方々に、一体感を持てるような取り組みになればと思いました。9/17の「ウクライナ家庭料理を通した食事交流会」ですばらしい歌を披露してくださった、ウクライナのシンガー ミラさんにお願いしました。
◆11:30 食事交流会
どれだけの方が来てくれるかな・・・とドキドキしながらお待ちしましたが、次々、来てくれました!はじめはちょっと、緊張されていた様子でした。
集まったところで交流会開始。開会のご挨拶ののち、9/30 Job Festa Shibuyaにもお越し下さった、ウクライナ避難民が専門職として仕事をしている、弁護士法人キャストグローバルより、ウクライナ弁護士のイリーナ先生と、コンサルタントのタチアナ先生も大阪に来て下さっていましたので、法律にかかわるご相談対応が可能になったことを含めご挨拶いただきました。
そして、全心連ウクライナ「心のケア」交流センター設立前からご指導下さってきた、大阪経済法科大学 片岡教授より、ご挨拶いただきました。大学で大変、お忙しくされていらっしゃる中、来て下さったことに心から感謝です。
ここからは交流会。日本のみなさんが持ち寄って下さったものをみんなでいただきました。徐々に緊張感が緩み、たくさんの笑顔がこぼれます。また、早速イリーナ先生とタチアナ先生に相談されていらっしゃる方もおられました。
みなさんかなりリラックスして、会話もはずんでいるところでしたが、ここでシンガーのミラさん登場!ウクライナ国家斉唱から始まり、ミラさんの歌声に涙する人も。
ウクライナのなじみの曲、懐かしい曲などが続き、一緒に歌ったり、踊ったり。最後はみんなで輪になって歌い踊りました。
◆14:20 記念撮影
話が尽きない感じでしたが、いったん記念撮影へ。
◆14:30 空中庭園展望台へ
最後は空中庭園展望台へ。きれいな景色を見て、心が穏やかになりますように。名残惜しそうに帰って行かれました。
全心連ウクライナ「心のケア」交流センター、大阪での心のケアを本格的に開始。どんな方々がいらっしゃるのか、どんな催しになるのか、まずは大阪に行ってみよう!ということで実施した次第でありました。
「こんなにウクライナ語で話せたのは久しぶり」と、来られた方々がおっしゃっていました。と、いうことは、日本での生活の中では、思いっきり母国語で話せるような機会がとても少ない、ということ。周りにウクライナの方が多いわけではない地域に住んでいる方もいらっしゃる。どれだけの孤独感とさみしさを抱えて過ごしているのだろう・・・と思うと、心が痛くなりました。みんなで集まれる場所がある。関西でのシンボルとなる場所がある。今回、梅田スカイビルさんには本当に、心から感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
みんなでおいしいものを食べて、みんなでたくさん話して、みんなで歌って踊る。なにげない日常が実はとても大切なことです。その日常を、異国の地の日本で取り戻すことができる。これが心のケアとしては、とても大切な第一歩。たくさんの笑顔、涙、歌声・・・日ごろのつらさやストレスが少しでも、和らいだようであれば嬉しく思います。大阪では、具体的なご相談もいくつかお聴きしましたので、後日、全心連ウクライナ「心のケア」交流センターとして対応させていただきました。
日本に来てさみしかったり、つらいことや大変なこともある。一方で、いい出来事もあったという経験が、ウクライナから避難されてきた方々の心の支えになる。全心連ウクライナ「心のケア」交流センターを立ち上げてすぐの時期に感じていたこの想いを、私たちも改めて、思い出すきっかけになりました。また、近いうちに、必ず、大阪のウクライナのみなさんに会いに行きます!引き続き、関西での心のケア活動を、関西のウクライナの方々とともに行って参ります。ご参加下さった皆様、梅田スカイビル 空中庭園展望台の皆様、大阪経済法科大学 片岡教授、京都からお運びくださった京都大学 杉原教授、東京から来て下さったすばらしいシンガーのミラさん、梅田スカイビルB1 CAFFE PIAZZA DEL POPOLOさん、本当にありがとうございました。すべてのみなさまに心から御礼申し上げます。引き続きのご支援、ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
主催:一般社団法人全国心理業連合会
ウクライナ「心のケア」交流センター在日ウクライナ人スタッフ
全心連公認プロフェッショナル心理カウンセラー(話を聴くプロ)ボランティアスタッフ
参加人数:
51名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
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本企画は下記の皆様にご後援、ご協賛、ご協力をいただきました。改めて心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
後援
一般社団法人プロフェッショナル心理カウンセラー協会
助成
公益財団法人日本財団
協賛
梅田スカイビル 空中庭園展望台
協力
株式会社アイディアヒューマンサポートサービス