ウクライナ「心のケア」交流センターの母体は、非営利の一般社団法人、全国心理業連合会(全心連)、心理カウンセラーの業界団体です。ウクライナ避難民の心のケアを行っていると、ウクライナの方でサイコロジストやカウンセラーの方々から、「自分もウクライナ心のケア交流センターで心のケアを行いたい」というお申し出も多くいただきます。
ウクライナから避難されてきたマリーナ先生は、そのお1人です。
初めてお会いした時に、ウクライナ「心のケア」交流センターの理念や考え方とも近く、話もあいました。心理学やカウンセリングの手法も、アートセラピーなど使われるということで、私たちに近い面もあり、それであれば一度、ご一緒しましょう!ということになりました。マリーナ先生からは、「ウクライナの伝統的なお人形を作りながら、ワークショップを行うこともできます」と。お人形を作りながら、セラピー!?と思いましたが、たとえば紙粘土をつくったりする造形療法の応用、と考えると、なるほど、確かに、と思うところもあり、では交流会を兼ねてワークショップ形式でやってみましょう!と、急遽、開催が決まりました。
特に秋以降、ウクライナ「心のケア」交流センターの活動においては、「もっと日本の方々を巻き込んでいく必要がある」と考えていました。東日本大震災後の心のケアなどでも、被災地の方々の想いの1つとして、徐々に風化していき、被災地のことが忘れ去られてしまうのではないか、というところから来る孤独感がありました。震災で家族、家、友人、故郷、仕事など、多くのものを失ったのに、忘れ去られてしまうのではないかという孤独感が上乗せされてしまうのです。これを防ぐためにも、そしてウクライナから避難されてきた方々への支援の輪を日本でもっと広げていくためにも、日本の方々がウクライナの方々に出会う機会をたくさんつくり、より自分ごとにすることができればと思いました。それもあって、ウクライナの有名シェフによる料理交流会を開催したという背景もありました。
ですので、今回もせっかくマリーナ先生に来ていただくなら、日本の方々と交流する機会とし、かつ、ウクライナから避難されてきた方々がマリーナ先生にウクライナ語で相談できる機会にもなればと考えました。ワークショップを行い、その後に交流会、そして個別相談を受けるという形で、日本財団のウクライナ避難民支援助成プログラムの支援を受け、実施しました。
◆14:00 開始
ワークショップは自己紹介からはじまり、やりたいことを1つ選び、それについて深めていきました。そしていよいよ、みんなでウクライナの伝統的なお人形作りを開始、なるほど!さっきのワークはここで活かされていくのね!と思いながら、楽しく、そして無心に作っていきました。マリーナ先生は優しく、楽しく語りながら、私たちの様子もとてもよく観察されていました。お人形ができたら、みんなでシェアをして終了しました。
その後の交流会ではみんなで焼きそばをいただきました。スタッフの私たちとしては、6月の交流会を懐かしく、思い出していました。
6月交流会
https://www.mhea.or.jp/ukraine-himawaricenter/info_09.html
ウクライナの伝統とカウンセリングをミックスしたような今回のワークショップ、日本人参加者は最初は恥ずかしがっていたり、これでいいのだろうか・・・?と細かく確認したり、表現へのブレーキもかかっていたりしましたが、マリーナ先生の作り出す空気感に徐々にリラックスし、ワークショップに集中していきました。ウクライナ避難民の方は無心に作っておられ、このような時間を持つことで日常的な心配事をいったん横に置いておき、自分を振り返ることにつながっていたようです。新鮮な感じもあり、また気づきもあり、ゆっくり自分を見つめ直せたことで、その後の交流会や個別相談も和やかで穏やかな時間が流れていきました。
全心連ウクライナ「心のケア」交流センターとしても、マリーナ先生のワークショップ、カウンセリングについて理解を深めることができ、今後も定期的に機会を持つことになりました。ウクライナ語でワークショップを受けることができる。私たちの心のケアメニューが1つ増え、ウクライナ避難民の方々の選択肢が増える機会をくださったマリーナ先生、ご参加下さったみなさま、すべてのみなさまに心から御礼申し上げます。ありがとうございました。マリーナ先生、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。
主催:
一般社団法人全国心理業連合会
ウクライナ「心のケア」交流センター在日ウクライナ人スタッフ、ボランティアスタッフ
全心連公認プロフェッショナル心理カウンセラー(話を聴くプロ)ボランティアスタッフ
参加人数:
14名(ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
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本企画は下記の皆様にご後援、ご協力をいただきました。改めて心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
後援:一般社団法人プロフェッショナル心理カウンセラー協会
助成:公益財団法人日本財団
協力:株式会社アイディアヒューマンサポートサービス