12/25の「Job Festa Shibuya & Ukraine×Japanクリスマス」の前から、全心連ウクライナ「心のケア」交流センターとして、年末年始をどう取り組むか?はテーマになっていました。何度も何度もディスカッションを重ねてきた中で、ウクライナ避難民の方に関する心配な情報もいくつか入ってきました。
一般社団法人全国心理業連合会(全心連)は2011年3月から2022年3月まで、東日本大震災後の心のケアとして「TeamJapan300」というボランティアプロジェクトを立ち上げ、自治体等の協力のもと活動を展開しました。特に仮設住宅に移ってからは、閉じこもりによる孤独死を防ぐための試みとして、年末年始はクリスマス会やアニマルセラピー的かかわり活動、戸別訪問の強化などを行ってきたという背景があります。この経験から、ウクライナ「心のケア」交流センターを立ち上げることになったのですが、そこから見ても、日本で初めての年末年始を迎えるにあたり、特に1人で避難してきたウクライナの方々の中には、孤独・孤立状況から自殺念慮を持つ場合があることが予想されました。
全心連ウクライナ「心のケア」交流センターそのものは、株式会社アイディアヒューマンサポートサービスの協力のもと、365日オープンし、ウクライナの方々がいつでも、気軽に立ち寄れるようにしています。ただ、「オープンしてますよ」と言うだけではなく、特に12/30-1/3の年末年始期間は、私たちが心配しているような方々に一人にならずに気軽に足を運んでほしいため、日本財団のウクライナ避難民支援助成プログラムの支援を受け、強化期間として心のケアの催しを急遽、実施することにしました。
気軽に足を運んでいただけるような工夫として、年末はお料理や年越しそば、年始はおせち料理、けん玉やだるま落とし、福笑いなどを準備し、日本の年末年始ならではの風習をご一緒できるようにしました。ウクライナ語が話せるスタッフや全心連ウクライナ「心のケア」交流センタースタッフが常駐し、個別での心のケアを希望される場合でもカウンセリングを受けることができるようにしました。また、パソコン設置、フリーWi-FiやZoomアカウント貸し出しを無料提供し、ウクライナ本国の家族や知人たちとオンラインでつながることができるような環境を整えました。



◆年末 12/30-12/31 交流会
年末、12/30、12/31とも、17時から交流会を行いました。年越しそばはウクライナの方にとってはどうだろう・・・?と思い、事前にウクライナの方に試食をしていただいたりしましたが、初めての方がほとんどの中でもおいしいと言っていただけました。年末年始の風習について説明し、日本の文化を学ぶ機会にもなったかと思います。日本の遊びのけん玉にもチャレンジされていました。




◆年始 1/1-1/3
年始の1/1から1/2はウクライナの方がいつ、いらっしゃってもいいような体制でお待ちしました。年末の交流会が17時からだったせいか、みなさん、夕方からなのかと思っておられたのでしょうか・・・両日とも16時ごろにウクライナ避難民の方々がお越しになりました。お雑煮や甘酒、おせち料理、けん玉やだるま落としなど楽しみました。1/1はちょうど、渋谷区議会議員の中村豪志先生が年始ご挨拶に来られ、ウクライナ避難民の方々ともご一緒くださいました。中村議員、けん玉やだるま落としがすごくお上手!ウクライナ避難民の方々も楽しんでおられました。1/2はウクライナの戦争が終わりますようにという気持ちを込めて、だるまに目を入れました。この2日間は、ウクライナ避難民の方々とじっくりお話もでき、心配な方には今後のサポートの約束をして対応しました。






1/3は年末同様、17時から交流会形式で実施しました。交流会が始まる前からけん玉大会!日本の高校生ボランティアの子に教えてもらいながら、みんなで競い合っていました。交流会はウクライナ式の乾杯にはじまり、おせち料理やお雑煮をいただきながら、日本のいろんな風習を楽しみました。また、”日本のお正月クイズ”形式で、日本文化を学ぶ取り組みも行いました。




年末年始、特に1/1-1/2は誰も来ない日もあるかも?と思っていましたが、毎日お越し下さる方がいました。ふだんの交流会などでは、とにかくたくさんの方が来られることもあり、交流会の中でゆっくり話せる機会は少ないです。ゆっくり話すことができ、お一人お一人がどんな方なのか?がわかったことはとてもよかったです。1/3は初めての方も多くいらっしゃり、早速ご相談ごとをお受けしたりしておりました。孤独になりやすい年末年始だからこそ、できたことではないかなと思います。
日本で過ごす初めての年末年始。日本のことに少しでも興味を持てれば、日本での生活も充実したものになるかもしれない。お正月に飾られる多くのディスプレイ。意味がわかれば伝統に裏付けされた昔からの人々の願いや想いが伝わるかもしれません。門松、紅白の梅のお話。紅白は縁起のいい色で、梅は1番寒い冬に最初に花を咲かせる。梅の枝は寒くても空に向かって伸びて花を咲かせる。ウクライナの皆様も寒い冬でも、空に向かって花を咲かせてほしい。だるまは、仏教の高僧が座りながら、悟りをひらいた姿。「七転び八起き」という言葉があるように、決してあきらめない気持ちの表れ。ウクライナの皆様と、決してあきらめない気持ちを一緒に持ちたい。大変な中でも、常に負けずにがんばるウクライナの皆様のことを思うと、涙が出そうになりました。
日本に住むウクライナの方々は大切な一人ひとりが家族と離れ、慣れない日本で懸命に生きている。一人でいたら心が痛むことも多い。だからせめて、家族のように、なんでも話せる場所があれば、少しだけでも痛みが和らぐかもしれない・・・引き続きウクライナの皆様に寄り添った心のケアを行って参ります。この年末年始にお越し下さったすべての皆様に心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。引き続きのご支援、ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
主催:
一般社団法人全国心理業連合会
ウクライナ「心のケア」交流センター在日ウクライナ人スタッフ、ボランティアスタッフ
全心連公認プロフェッショナル心理カウンセラー(話を聴くプロ)ボランティアスタッフ
参加人数:
89名(延べ人数/ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
-----
本企画は下記の皆様にご後援、ご協力をいただきました。改めて心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
後援:一般社団法人プロフェッショナル心理カウンセラー協会
助成:公益財団法人日本財団
協力:株式会社アイディアヒューマンサポートサービス