クリスマス、年末年始、お正月・・・本来なら家族と楽しく、ゆったりした時間を過ごす時期です。でも、ウクライナ避難民の方々にとっては叶いません。家族とあたたかく過ごすような時期に孤立・孤独を感じると、自死リスクも高まります。全心連ウクライナ「心のケア」交流センター 渋谷ひまわりは365日オープン、昨年も年末年始に交流会を行いました。今年は日本のボランティアの皆様にもお力添えいただきながら、日本財団のウクライナ避難民支援助成プログラムの支援を受け実施しました。
年末年始に向けての飾りつけはもちろんのこと行い、申し込みを受け付けたところ、毎日20~30名の方々が来られる予定。昨年よりも多い予想となっていました。
◆年末
年末はもちろん年越しそば。ご挨拶に加えて年越しそばの意味を伝えたりしながら、ウクライナ避難民の方々にも長生きしてほしい、の願いを込めました。できるだけみんなで食べれる食事を12/30、12/31と準備しましたが、初めて食べる!という方々が多かったのは、カニ。普段はメンタルトレーナーとして活動しているボランティアスタッフが、カニの食べ方までレクチャーします。
年末は、おみくじ式のお楽しみゲーム。わりばしを引いて赤が出たらあたり、プレゼントをもらえます。白だったら参加賞のお菓子をもらえます。ウクライナ避難民の大人も子どもも真剣、あたり外れの喜怒哀楽がとても豊かです。
◆年始
日本語でのお正月のご挨拶も上手になりました。お正月はおせち料理とお雑煮を中心に、1/2、1/3はみんなで食べれる食事も準備しました。昨年はお雑煮人気が今ひとつだったのですが、今年は白みそのお雑煮が大人気でした。
年始は書き初めを行いました。自分の干支を書き、スタンプを押して仕上げます。自分も書き初めをしてみたい!というウクライナ避難民の方もおられました。また、年明けは輪投げゲーム。年末と同様、大人も子どもも真剣勝負で楽しみました。
1/1夕方、ウクライナ避難民の皆様がお帰りになったあと、翌日のミーティングと準備物の整理を行っていたところ、渋谷でも揺れを感じました。北陸で大きな地震があったみたいよ、とニュースを追いかけていくと、結構、大きな規模の地震なのではないか、せっかくお正月を楽しんでいる北陸の方々も、そして北陸に住むウクライナ避難民の方々も、なぜお正月にこんなことが・・・と心配になりました。翌日、1/2には、能登半島地震の心のケアプロジェクトを一般社団法人全国心理業連合会(全心連)として立ち上げを決めました。1/2年始交流会に来られたウクライナ避難民の皆様にも、もしよかったら、金王八幡宮の絵馬にメッセージを書いていただき、奉納しに行きませんか?とお話をさせていただきました。すべての方が快くご協力下さいました。
ウクライナ避難民の皆様を孤独にさせないための年末年始交流会、今年は能登半島地震により、また違った思いで年始を迎えることになりました。地震のことをウクライナ避難民の皆様にお伝えすると、ウクライナ避難民の方々自身も戦争トラウマという大きな心の痛みがあり、日本での慣れない生活にストレスを抱えた状態であるにもかかわらず、涙を浮かべながら北陸のことが心配、できることはなんでもしたい、とおっしゃられたことがとても印象的でした。心の痛みを持っているからこそ、同じように心の痛みを持っている方々のことが痛いほどわかるのでしょう。ウクライナ避難民の方々の優しさに触れ、日本人である私たちのほうがむしろ、元気をいただいたように思います。
2024年年明け、三が日、毎日悲しいニュースが続きました。今年はいったいどんな年になるのだろう・・・?と不安を抱えがちなこの年始に、今年も、全心連ウクライナ「心のケア」交流センターを毎日オープンしたことに大きな意味があると感じます。こういう時だから、心のケアが絶対的に必要です。心のケアの専門家として、今年もしっかり活動を行って参ります。年末年始にもかかわらずサポート下さった日本のボランティアの皆様、ご参加下さったすべての皆様に改めて心より、御礼申し上げます。今後とも、引き続いてのご支援、ご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
主催:
一般社団法人全国心理業連合会
ウクライナ「心のケア」交流センター在日ウクライナ人スタッフ、ボランティアスタッフ
全心連公認プロフェッショナル心理カウンセラー(話を聴くプロ)ボランティアスタッフ
参加人数:
120名(5日間合計/ウクライナの方、日本人ボランティア等含む。)
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本企画は下記の皆様にご後援、ご協力をいただきました。改めて心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
後援:一般社団法人プロフェッショナル心理カウンセラー協会
助成:公益財団法人日本財団
協力:株式会社アイディアヒューマンサポートサービス