1.事業目的および内容
日本財団のウクライナ避難民支援助成プログラムの支援を受け、日本での生活の不便さを解消することを目的に、日本語学習支援を実施した。日本語学習支援のある講師が、日常生活でのシーンを設定した日本語での会話を練習したり、最近あった出来事などの日常会話を楽しんだりしながら、日本語の使い方を学習した。
2.方法
時期:2022年9月~2023年1月
場所:ウクライナ「心のケア」交流センター(東京・渋谷)
対象:ウクライナ避難民
枠組み:1回あたり60分~90分。個別レッスンは基本週1回、対面およびオンライン実施。グループレッスンは対面実施。
3.実施状況
(1)個別レッスン
期間中、合計7名のウクライナ避難民に対し、対面およびオンラインで実施した。英語が話せるウクライナ避難民は英語と日本語併用、場合によってはポケトークを使用しウクライナ語でも補足を行った。挨拶、物の名前、助詞の使い方を覚えたり、カフェでの注文、郵便局で手紙を出す、日常生活での出来事の感想を話す、道に迷った時、スーパー等でのレジでのやりとりなどの日常会話の練習を行ったり、日本の映画館や病院の予約の仕方のレクチャーを行った。また、講師が用意したトピックを日本語で話し、受講者に理解してもらう形でのレッスンも行った。
(2)グループレッスン
2022年12月25日に開催された「Job Festa Shibuya」において、仕事で役立つ日本語セミナーとして実施した。仕事でよく使うフレーズ(「おつかれさまです」「よろしくお願いします」等)の練習とその意味のレクチャーを行い、接客業を想定したロールプレイを行った。
4.効果など
当初はなかなか言葉が出てこなかったウクライナ避難民の方々も、レッスンを積み重ねていくことにより、会話がとてもスムーズにできるようになっていきました。映画を見に行き、字幕なしで大体のストーリーを理解できつつある避難民の方もおられました。
ウクライナから避難されてきた方々は、戦争トラウマや慣れない日本での生活のストレスにより、心のケアが必要な状態にあります。日本語でコミュニケーションが少しでもできるようになるだけでも、日常生活のストレスを減らすことができたり、日本人とのかかわりを楽しむことができるようになるため、精神的な安定感をもたらす一助となります。引き続き心のケアの一環として、日本語学習支援を行って参ります。