1.事業目的および内容
日本財団のウクライナ避難民支援助成プログラムの支援を受け、心のケア交流イベントに加えた個別対応として、生活に関する困りごとに対し必要な物資やサービスの提供を行ったり、戦争トラウマや日本での生活におけるストレス等への心のケアを行うことで、個別に課題解決をはかることを目的に、個別相談支援を実施した。心のケア交流イベントの参加者や、当センターにご連絡をいただいたウクライナ避難民の方に対し、必要な場合は通訳を介して実施した。
2.方法
期間:2022年8月~2023年1月
場所:ウクライナ「心のケア」交流センター(東京・渋谷)
対象:ウクライナ避難民
3.実施状況
期間中、生活に関する困りごと相談、心のケアの依頼を多数、お受けしたが、日本財団の助成を受けたものは以下の通り。
●2022年9月30日「Job Festa Shibuya」
15時から21時の各催しの間で、通訳を介して、生活に関する相談、仕事に関する相談をお受けした。
●2022年10月3日
医療との連携が必要なウクライナ避難民に対し、通訳が病院に同行してサポートを行った。
●2022年11月20日「ウクライナドールメイキングセラピーと避難民交流会」
ウクライナ避難民のセラピストが、セラピーの提供と、参加者の個別相談を担当した。
●2022年12月24日「ウクライナ避難民アートセラピストによるクリスマスオーナメントメイキングセラピー」
ウクライナ避難民のセラピストが、セラピーの提供と、参加者の個別相談を担当した。
●2022年12月25日「Job Festa Shibuya&Ukraine×Japanクリスマス」
13時から17時の「Job Festa Shibuya」、および17時から19時の交流会において、通訳を介して、生活に関する相談、仕事に関する相談をお受けした。
●2022年12月30日
就労を希望するウクライナ避難民に対し、日本企業との面接にあたり、保有している専門技術の詳細について通訳を介してヒアリングを行った。
4.効果など
医療連携が必要なウクライナ避難民の方は、病院へのかかり方や診察の受け方などがわからなかったこともあり、通訳が同行したサポートにより、体調の改善はもちろんのこと、一人で病院に行くこともできるようになった。
就労を希望するウクライナ避難民の方は、履歴書でわかりづらかった保有スキルが明確になり、無事、就労につながった。
ウクライナ避難民セラピストが担当するセラピーの提供や個別相談は、ワークショップを行ったことで相談しやすくもなり、精神的安定につなげることができた。
その他の心のケアイベントで受けたご相談については、病院に行きたい、体調不良、就労に関する相談、自治体等との諸手続き、子どもの問題(学校、心理面、等)、日本語学校を探している等、多岐にわたったが、カウンセリングを実施(助成範囲外)したり、当センターのスタッフが具体的な問題解決にあたったりすることで対応した。
お受けした相談ごとは具体的な問題解決ができているため、引き続き、ウクライナ避難民の方々が必要な時に相談していただけるような環境をつくったり、声をあげていないウクライナ避難民の方々にアプローチしていく方策を工夫していく。