1.事業目的および内容
日本財団のウクライナ避難民支援助成プログラムの支援を受け、ウクライナ避難民、日本在住者(在日ウクライナ人、日本人等)を対象とし、心のケアを目的としたグループカウンセリング型の交流会を実施した。2023年2月に実施したメンタルヘルスアンケートでは、心身のストレスがかなり高いことがわかっており、また、本アンケートから初めて参加した地方在住のウクライナ避難民も多かった。地域差をなるべく生じさせない枠組みを持つことで、日本のすべてのウクライナ避難民が日本での生活に希望を持ち、心のケアサポートを受けることができることをめざしていく。
2.方法
期間:2023年5月~2024年3月(日本財団助成分は2月まで)
場所:全心連ウクライナ「心のケア」交流センター(東京・渋谷)、他外部会場
対象:ウクライナ避難民、日本在住者(在日ウクライナ人、日本人等)
3.実施状況
期間中、多くの心のケアの催しを実施したが、うち、日本財団の助成を受けたのは計12回(詳細は下記の実施レポート参照)。
急遽、ウクライナのトップアーティストKAZKAが二度目の来日をすることになり、KAZKAの希望もありなるべく全国の多くの地域をまわる取り組みを行った。また、季節ごとにウクライナ避難民の誕生日を祝う機会を設け、家族と離れて過ごしているウクライナ避難民の心のケアを実施した。ウクライナにとって節目となる時に交流会を設けることで、戦争トラウマの傷つきをサポートする取り組みも行った。
2023/5/4 メタバース体験会
https://www.mhea.or.jp/ukraine-himawaricenter/info_37.html
2023/5/6 一流声優とトークライブ&声優体験&交流会
https://www.mhea.or.jp/ukraine-himawaricenter/info_38.html
2023/5/7 AI×アートで知らなかったセカイの面白さを知る!&交流会
https://www.mhea.or.jp/ukraine-himawaricenter/info_39.html
2023/6/18父の日心のケア交流会
https://www.mhea.or.jp/ukraine-himawaricenter/info_42.html
2023/7/3 KAZKA沖縄交流会
https://www.mhea.or.jp/ukraine-himawaricenter/info_40.html
2023/7/5 KAZKA大阪交流会
https://www.mhea.or.jp/ukraine-himawaricenter/info_41.html
2023/7/7KAZKA来日山梨トークライブ&国際交流ミニコンサート
https://www.mhea.or.jp/ukraine-himawaricenter/info_47.html
2023/8/27神奈川県庁でのウクライナ独立記念セレモニー
https://www.mhea.or.jp/ukraine-himawaricenter/info_43.html
2023/9/17夏バースデー&日本の夏祭り交流会
https://www.mhea.or.jp/ukraine-himawaricenter/info_44.html
2023/12/9クリスマス会
https://www.mhea.or.jp/ukraine-himawaricenter/info_45.html
2023/12/30-2024/1/3年末年始交流会
https://www.mhea.or.jp/ukraine-himawaricenter/info_46.html
2024/2/24祈りの会
https://www.mhea.or.jp/ukraine-himawaricenter/info_48.html
4.効果など
日本財団助成分としては当初、5回程度としていたが、日本人サポーターの方々から支援をいただいたり、ボランティアスタッフがサポート下さったことにより、倍以上の回数を実施することができた。ウクライナの方々とのつながりも1,500人以上となり、日本財団助成以外のものも含めると、全心連ウクライナ「心のケア」交流センター開設当初から通算して120回を超える交流会実施となり、「ウクライナ避難民の中で渋谷ひまわりを知らない人はいない」とまで言っていただけるようになったことが、何よりの効果であると考える。
日本財団助成分の交流会としては、グループカウンセリング的要素の強い取り組みを多く実施した。日本人にとっても長期休暇明けには自殺者数が増えることがわかっており、まして家族と離れて過ごすウクライナ避難民にとって孤独感が増す時期であるゴールデンウイークやクリスマス、年末年始に交流会を実施することができ、大変多くのウクライナ避難民の方々にご参加いただくことができた。ウクライナ独立記念日や、ウクライナ侵攻が起こった日など、ウクライナ避難民の方々にとって心の痛みが強くなる日に祈りを捧げ、みんなで交流を行うことは大切な心のケアとなる。また、日本人サポーターや日本人ボランティアの参加が増えたことで、日本の多くの方々がウクライナを支援しているというメッセージを伝えることができた。このような機会を定期的に設けることで、つらい毎日であったとしても一時はつらさを忘れることができたり、希望を持つことができたり、安心感を持つことができたりする。
なお、2024年2月に実施した、2回目のメンタルヘルスアンケートでは、心身のストレスが1回目よりも高いという結果になった。ウクライナ避難民の心のケアはまだまだ必要であり、継続的な支援が求められる。