一般社団法人 全国心理業連合会(全心連)

Japanese Organization of Mental Health and Educational Agencies

私たち心理カウンセラーの役割を解説します。

エビデンス・相談者の声

相談者の方々のリアルな声です。ぜひ一度耳を傾けてみてください。心理カウンセラーはこのような方々を支えています。

企業担当者の声

1.国内大手IT企業 産業医

杉村労働衛生コンサルタントオフィス
産業医科大学産業生態科学研究所人間工学研究室
杉村 久理

「社内カウンセラーに求められるもの ~当社の場合~」

近年、増大する労働現場のストレスに対し、企業は様々な取り組みを行っています。その一つとして、社内にカウンセラーを置く企業も増えてきています。私が産業医をしているあるIT企業でも2006年より、社内カウンセラーを置くようになりました。

「社内カウンセラーに何を求めるか?」その企業のメンタルヘルス体制を構築する際に、この点のディスカッションが行われました。多くのディスカッションの末に出したキーワードが「共感」でした。社員のメンタルステイタスを維持・向上するために、カウンセリングでできるだけ多くの心の中にあるモヤモヤを出してもらいたい。そのために必要なのがカウンセラーとクライアントの間のラポール(信頼感)であり、このラポールを形成するのに有効なのがクライアントへの共感だと考えました。
社員がクライアントである場合、カウンセリングのテーマは社員の置かれている立場や環境、人間関係、業務の量や質などの負荷的(つまり外的)な問題や、心の痛みや苦しみ、うつ的な症状などの負担的(つまり内的)な問題であることが多く、社内カウンセラーはこの両方の問題への共感ができることがポイントとなります。
そしてこの負荷的な問題への共感はクライアントと同じ立場である社員が一番良くできます。同社にはSE(システムエンジニア)が多くいるのですが、彼らの業務の量や質の負荷などは一般的に理解されにくいことが多くあります。しかし、同じ仕事をしている社員であればその状況はよく解り、同じ視線で問題を共有することができます。また負担的な問題については、メンタル的なものであれ、フィジカル的なものであれ、その本当の痛みや苦しみは実際に体験した者にしか解りません。逆に言えばこの体験者が最もよく理解しており、彼ら体験者の共感がクライアントの心に最も響くのです。

そこでその企業では、健康障害を体験したことのある社員にカウンセラーの資格取得を勧め、社内カウンセラーとなることを依頼しました。社内カウンセラーというと大学で心理学を学んできた臨床心理士がなるケースが多いですが、このように同社のカウンセラーは元々心理学とは関係のない分野出身の社員たちです。彼らは、引き続き本業であるSEや営業、スタッフとしての業務を行いながら、カウンセリングはあくまで副業的な形で活動をしています。

彼らには、普段我々産業医や産業看護職のメンタルヘルス活動のサポートとして、社員のカウンセリングの依頼をしていますが、それ以上に社員から彼らに直接カウンセリングを申し込まれるケースも多くあります。またそれだけでなく、社内のトイレや休憩コーナー等の何気ない場所で社員から自身や友人について相談をされることや、管理職から部下に関する相談されることもあるようです。
彼らカウンセラーは社内の事情や業務内容に精通している分、社員や管理職にとって恐らく我々医療職よりも身近で共感を得やすい存在なのだと思います。

これからも多くの企業の中でカウンセラーの必要性は高まるでしょう。現場ごとにカウンセラーへのニーズは変わるでしょうが、どのカウンセラーにも共通して必要なのはクライアントへの「共感」です。今後クライアントに共感できる社内カウンセラーが企業で増え、活躍されることを期待しています。

2.某大手製薬企業 人事部教育研修担当 30代女性

「企業内でも、心理カウンセラーが活躍しています」

私の勤める会社では、外部の民間カウンセリング会社と契約して、相談業務などを委託しております。
社員が誰でも気軽に利用できる電話カウンセリングの利用と併せて、弊社専属という形で担当していただいているカウンセラーがおられます。専属カウンセラーは、マネージャー職へのメンタルヘルス研修をはじめとする発症予防プログラム、メンタル不調を訴える者への出張面談、メンタル不全による休職者へのかかわり~復職支援まで、一貫してご担当いただいています。数千人の社員が全国の事業所に点在しておりますので、常に飛び回って対応していただいており、大変お世話になっております。

私も仕事柄、カウンセラーの方とコンタクトを取らせていただくことがあります。
業界の特徴で、新入社員は数カ月に及ぶ長期間の研修を経て現場に配属となります。その数カ月の研修を担当しているのですが、社会に出て間もない新入社員の中には、慣れない環境へのストレスや人間関係のトラブル、莫大な学習量についていけない等で毎年何人かメンタルに不調を訴える者が出てまいります。1人そうした人がいると、周囲にも影響し、連鎖的に数人が不安定な状態になることもあります。
私の場合教育研修担当者という立場上、傾聴だけに徹するわけにもいかず、全ての新入社員に平等に接しなくてはなりませんし、時には目標に達しない者を鼓舞したり、厳しく叱ることも求められます。そうした中でメンタル不全の兆候が現われ始めた時には、カウンセラーの方に研修所へお越しいただいて対応していただけるのは本当に助かっています。

契約しているカウンセラーは、臨床心理士ではありませんが、きちんと勉強されてカウンセリングの資格を持っておられます。何よりも、同業界の営業職・マネージャー職としての長い現場経験のある方なので、社員の気持ちを誰よりも理解して親身に対応していただいています。しっかりとした社会経験と豊富なカウンセリングの実務経験をきちんとベースに持っておられることが何より大切なことと、この方が本当に社員の心に寄り添った対応をしていただいているのを知るにつけ感じております。

3.アパレル企業 自らがカウンセリングを学んだ経営者

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虐待・DV・セクシュアルマイノリティなどの福祉分野

虐待・DVのケース

セクシュアルマイノリティのケース

障害を持った子どもの親のケース

引きこもり・依存症のケース

レイプを受けた方のケース

私にはトラウマがありました。21歳の時に受けた、2人の男性からのレイプです。
警戒心等、少しも持っていなかった私は、知らない男性と友のお店でお酒を飲み、「送ってあげる」との言葉に、「ありがとうございます」と素直に車に乗りました。周りの景色が見えないように頭を下げて乗り、着いた場所はホテルでした。そこで私は、その2人からレイプを。叫ぶことも、逃げることもできず、ただふるえて、

「お願いです、必ず帰して下さい!!」

それだけが、私の口から出た言葉でした。抵抗すれば「殺される!!」その思いしかありませんでした。

その時、私には、4年間のおつきあいで、結婚を約束していた人がいました。彼以外の人と、それも2人の男性にレイプ。「汚い、けがれている」「周りの女性とは違う」「きっと嫌われる」。彼に対する「後ろめたさ」。私は、前の私ではない。世間知らずでお人好し、人を疑うこともしない。自分の責任だ。私がのこのこついていかなければ、あんな悪夢にはおそわれなかったに違いない、と毎日毎日、1人の時、大声で泣きました。
彼に何て言おう、でも嫌われたくない、どうすればいいのだろう。外に出て、白い車を目にすると動悸がし、身体が震え、今にも車に飛び込みそうな日々を送りました。

それから半年後、彼との仲を、私から切ってしまいました。

あんなことがなければ、今ごろ私は普通に生活していた。誰よりも愛してくれた彼を裏切り、別れの理由もはっきり言わず、彼を傷つけた。
何十年と悩み続けていた私。誰からも「いつも笑って、悩みなんてないよね」と言われていた私。それは本当の私ではないのに・・・。

3年前、心理カウンセリングを受けました。すべてを話しながら、過去の自分を責めていました。心理カウンセラーの先生は「あなたは悪くないんですよ。汚れてもいない。彼を裏切ったわけでもないんです」と、ふるえる私の背中をやさしくなでながら、何度もそう話して下さいました。私は、小さな子どものように泣きじゃくっていました。
繰り返し先生と話すうち、過去の私を「私」として、少しずつ受け止めることを始めていました。何も起こらなかった、何もなかったことと割り切るのは無理ですが、今の私は、生きている、生きていて良かった。そう思えるようになっていました。

深い目に見えない傷として、自分の中に閉じ込めていたものが、いつしか、強い意志として、私の大きな力となり、今を生きています。何十年もの時間が、今の私を育ててくれた。今、私は幸せな時間を、たくさんの友人と共有して、新しく生きていると感じ、毎日を送っています。

もし、カウンセリングの仕事が、法律で規制されたとしたら、誰がこのような心の叫びを真剣に聞き、新しい生き方へと導いてくれるのでしょうか。心理カウンセラーがいなかったら、「人間として自分を認めること」「そして前を向いて歩くこと」。心に病を持っている人は、その道を見つけることは不可能に近いと私は思います。

※50代女性 母を31年前に亡くし、父と二人暮らし結婚生活7年半で、息子を連れて離婚。現在、息子は31歳

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災害対策分野

石巻 社会福祉協議会の職員の方

こちらの書き起こしテキストファイルもご覧ください。
Evidence_Ishinomaki02.pdf

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